陥入爪(かんにゅうそう)は、歩くたびに痛みを伴い、特に足の親指の横が痛くなり、出血や化膿といった痛みが増す原因になり、最悪は肉芽(にくげ)といって、盛り上がってできる粒状の肉の塊ができてしまい皮膚科での治療になりかねません。
このコラムでは、陥入爪についての基本情報から、ケアの種類をご紹介いたします。
健康で快適な爪を取り戻し、ご自身の足で100歳まで歩ける一歩を踏みだしましょう。
目次
1.陥入爪とは
2.陥入爪ケアの種類と方法
3.ケアの内容と料金
4.88の経験と実績
5.まとめ
陥入爪とは
陥入爪は爪が側爪郭(そくそうかく)に陥入し炎症を引き起こした状態のことを言います。
聞き慣れない言葉が出てきましたが、簡単に言えば爪が横の皮膚に入り込んで、痛みが出た状態のことを言います。
「巻き爪(爪甲が彎曲した状態)って何?」「陥入爪と巻き爪はどう違うの?」と疑問に思われている方もいるのではないでしょうか。
陥入爪は爪が皮膚に食い込んだ状態のことをいい、巻き爪とは症状が異なります。
そして痛みの箇所も『巻き爪は足の親指の爪の横が痛い』のと『陥入爪は指先の横が痛い』と位置が異なります。
陥入爪は、爪の先端が周りの皮膚に刺さってしまうことで、腫れや痛みが生じたり、さらには化膿や傷ができたりした状態を指し、陥入爪は巻き爪と混同されることも多いですが、必ずしも爪は巻いているとは限りません。
一般的に「陥入爪」と「巻き爪」という言葉は混同して使われている場合がありますが「陥入爪」と「巻き爪」は別の状態を言います。ただし、陥入爪と巻き爪が合併することもあります。
陥入爪=爪甲が側爪郭に陥入し炎症を引き起こした状態、巻き爪=爪甲が彎曲した状態、それぞれ見た目などから二つの症状から判断は難しいと思います。
深爪をしていて、爪は彎曲しておらず、足の指の横が痛い場合は陥入爪の可能性が高いです。なぜ、陥入爪になってしまうのかは、以下のような原因が挙げられます。
間違った爪切りをしている
爪を切りすぎたり、伸ばしすぎたりすると陥入爪が生じることがあります。特に深爪は陥入爪の原因になりやすいため、短く切りすぎないよう気を付けましょう。また、爪の端を切りすぎてしまうと爪が入り込みやすいともいわれています。
足に合わない靴を履いている
足の形やサイズに合わない靴を履いていると、爪が圧迫され陥入爪を生じることがあります。先端の細い靴やハイヒールなどは特に爪を圧迫しやすいといえます。また、サイズが大きい靴を履いていると靴の中で足が前に滑り、結果的に爪が圧迫される原因になることもあるため注意が必要です。
不適切な靴の履き方をしている
靴の中で足が滑り易くなる原因は、靴ひもの結び方が緩かったり、かかとを踏んでいたりすることが挙げられます。
歩く量が少ない
歩くことで爪の横の皮膚に圧力が掛かり、爪が入り込むことを防いでくれています。
不衛生にしている
爪白癬という病気が陥入爪の原因となっている場合もあります。
扁平足、外反母趾、先天的な骨格の影響
爪の厚さや硬さ、形状などは人それぞれです。そのため、生まれ持った爪の性質によって陥入爪が生じやすい方もいます。
陥入爪は子どもから大人まで性別に関係なく発症します。初期の段階では無症状で、気付かないこともあります。しかし、爪の食い込みが強くなると、徐々に痛みを自覚するようになり、特に患部を指で押したり圧迫されるような靴を履いたりすると強い痛みを感じることがあります。特に足の親指に生じやすく、痛みによって歩行が困難になる方もいます。糖尿病などによって足の血管が細く硬くなりやすい方が陥入爪を放置していると、壊疽(えそ)を生じる可能性もあるため注意が必要です。
陥入爪を予防するためには、日頃の生活習慣を見直すことも重要です。また、陥入爪になった場合は、症状が軽ければセルフケアでしばらく様子を見てもよいでしょう。
しかし、爪の食い込みのほか、赤みや腫れ、痛みなどがみられる場合、爪囲炎の可能性も含めて診断が検討されますので、すぐに病院を受診してください。
陥入爪ケアの種類と方法
病院では症状が軽い場合、保存療法で軽快することが一般的です。保存療法を行っても効果が不十分な場合や再発を繰り返す場合、速やかに治療をしたい場合などには手術も検討されます。
また、爪囲炎の疑いがある場合には、抗生物質の内服薬や外用薬の処方が検討され、肉芽と呼ばれる結節ができた場合にはステロイドの外用薬を短期間使用することがあります。
保存療法は3つあります。
1つは爪の食い込みを抑える処置
コットンパッキング法は皮膚に食い込んでいる爪を切除したり、爪の角にコットンを詰めて爪と皮膚が当たらないようにしたりすることで爪の食い込みを抑える効果があります。テーピング法は、テープや絆創膏などを使って爪周りの皮膚を引っ張り、皮膚と爪の隙間を作る方法があります。
2つめは爪矯正
爪矯正とは、陥入爪を生じている爪にフックやワイヤー、クリップ、プレートなどの矯正器具を取り付けて、爪の変形を矯正する治療方法です。
3つめは干渉部分の緩和
爪甲部分切除とは、食い込んでいる爪の角を切除する方法のことです。爪の変形が軽度の場合や、爪が薄い場合などに適しています。一方で爪が激しく変形している場合は、部分切除では根本的な解消につながらないので注意してください。
干渉部分を緩和するもう1つはガター法です。爪と皮膚の隙間にチューブを差し込み、爪の食い込みから皮膚を保護する治療法です。深爪による陥入爪に適しており、チューブを差し込むことで爪を正常な方向に伸ばすことが期待できます。
手術を伴う外科治療
症状が悪化し歩行が困難な状態や、再発を繰り返す場合には、陥入爪を完治させるために病院では手術が行われます。
爪の両端と、爪のもととなる爪母(そうぼ)を削り取ったり、薬剤で爪母の細胞を壊死させたりして、食い込みの原因となる部分に新たな爪が生えないようにするなどの方法があります。
手術によって爪の幅が狭くなってしまうほか、変形などが起こることもあるため、手術を検討する際は医師とよく相談しましょう。ただ、手術をしても再発の可能性もありますので、まずは保存療法を検討することを勧めます。
陥入爪に限らず、爪のトラブルの予防では爪を正しく切ることがもっとも大切です。爪は足の指先にそろえる程度に整え、両端を短くしすぎないよう“スクエア型”を意識すると良いとされています。また、足は1日1回を目安にせっけんで洗い、清潔に保つようにしましょう。
先ほど述べた、陥入爪になる原因である足に合わない靴を履いているのも、自身の足のサイズに合った靴を正しく履くことで予防につながります。靴を履くときはかかとをしっかりフィットさせることを意識し、紐靴の場合は紐を調整しながら靴を足の大きさに合わせましょう。靴の選び方は足の形状によって異なりますが、つま先が十分に広く、大きすぎたり小さすぎたりしないものを選ぶことが大切です。
陥入爪ケアの内容と料金
陥入爪のケアは爪の保存を重点に爪切りやプレートを使っての干渉部分を矯正します。
痛みがあり、炎症や化膿、出血がある場合はまずは受診をおすすめします。それらの症状が収まってから弊社がケアに入ります。
陥入爪ケアの内容は、まずは足浴で足を洗い清潔にしていきます。爪の入り込み具合を見極めていき、食い込み箇所をカットし、爪の形はスクエアに整えます。この時点で痛みや食い込みの違和感はなくなると思います。
また、伸びてきて痛みが繰り返さないよう、ご自身ででできるテーピング法を教えますので、予防してもらいます。清潔に保つことと正しい爪の形を維持し、靴を見直すことで再発を防いでいきます。こちらの料金は4,400円です。
上記の陥入爪ケアで爪の入り具合によってはプレートでの矯正が必要になった場合。
補正器具にて爪を平らにして、食い込みを解消していきます。皮膚への食い込みを解消することで、すぐに痛みは無くなります。親指の横の痛みは入り込んでいる爪に原因がある可能性が高いので、皮膚との干渉部分を解消しつつ、伸びてくる爪が食い込まないように真っすぐに生えてくるお手伝いをしていきます。
痛みが無くなり腫れが引けば、側爪郭(そくそうかく)が土台になり、食い込まずに爪が伸びていけば、痛みの再発は低くなります。
こちらのプレート装着の矯正料金は¥6,600となります。
弊社の経験と実績
体験談1
とにかく痛いとのことで左足の親指が赤く腫脹しておりました。皮膚科での受診も試みるも、塗布薬が出ただけで、根本的に治らなかったようです。弊社に来訪され、痛みの原因を探ったところ、爪先から2cm手前の皮膚部分が赤く腫れておりました。腫れてる部分は触らないように、干渉部分の爪を持ち上がれば、痛みはなくなると判断し、プレート装着にて爪を持ち上げました。
そうしたことで爪と皮膚に隙間ができて、皮膚に食い込まなくなり、痛みからすぐに解放されました。皮膚科ではかなり痛い思いをされたようで、ここでも痛いことをされるかと心配し、かなり緊張されてる様子でしたが、弊社では慎重に痛みが出ないようケアしましたので、終わったあとは痛くなくて一気に緊張がほぐれたようです。
4週間後に再度来訪され、腫れは治まっていて爪の持ち上がり具合を確認して、隙間が維持できるようケアしました。
靴が痛みの原因のようです。つま先が窮屈で指同士が圧迫され、親指に負担が掛かっていたのです。荷重の掛かり方、活動量で足への負担は大きいものです。痛みの再発防止の為、足に合った靴選びから提案させてもらいました。
体験談2
ご相談やご依頼いただくほとんどは痛みがある方になりますが、なかには痛みのない方に施術をすることもあります。
深爪で前に伸びにくい状態の爪です。長い状態が嫌いで爪先の白い部分がないようにご自身で切っていたようです。常に短く維持していたので、爪先の皮膚が盛り上がり爪の伸びる先がなくなってしまっていたようです。深爪は末節骨(まっせつこつ)が隆起してしまう原因でもあります。そのままだと指先の骨が上を向いてしまい、指先の皮膚が盛り上がり、そして盛り上がった皮膚に爪が当たって爪が小さい状態になってしまう可能性が出てきます。
この短い爪は伸びる先がなくなり、伸びつらい状態でしたので、盛り上がった皮膚より先に伸びるようにお手伝いさせてもらいました。特に爪の両端が埋もれてましたので、プレートを用いました。
プレートにより埋もれている部分が持ち上がるように爪を平らにして、前に伸びる爪を作ります。
そしてストレスなく、元気に前へ伸びる環境が整いました。一か月後には盛り上がった皮膚の上に覆いかぶさるように本来の適正な長さの爪に生まれ変わりました。
その後は深爪にしないように、スクエアカットで爪先の白い部分は1~2mmは残してもらうようにお伝えました。適正な長さと形はとても大事ですね。
保有資格
巻き爪の症例は500以上、ペディグラス社『巻き爪補正士』、東京フットケア協会所属、足育研究会会員、下北沢病院『足の番人 シルバーランク取得』
まとめ
ご高齢の方はどうしても、迷惑をかけられない・足を見せることが恥ずかしい・足に興味がない・足に関して誰に相談していいか分からない。などの理由で状態が酷くなってしまう方が多くみられます。一度、ご自身で爪切りは出来ているか?確認していただきたいと思います。爪にトラブルをかかえたままお過ごしになり、いつしか歩くことも嫌になり引きこもってしまう方も少なくありません。人生100年時代と言われておりますが、歩行が出来ることと出来ないのでは同じ人生でもかなり違いが生じてきます。足の爪を整えるだけで歩き方・姿勢も変わってきます。なにより、ご自分の足がキレイになり歩きやすくなったことを何よりも喜んでいただいております。